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岩永徹也、平井雄基ら熱演!音楽劇「黒と白 -purgatorium- amoroso」ゲネプロレポート

音楽劇「黒と白 -purgatorium- amoroso」が6月30日(水)から7月4日(日)まで東京ドームシティのシアターGロッソにて上演されました。「黒と白」はA,B,Cの3つのルート(物語)があり、Aルートでは天使たちの物語を、BルートとCルートでは人間(に転生した天使たち)の物語を紡ぎます。
今回の記事は、初日公演前に行われたA,Bルートのゲネプロの模様を、劇中の写真とともにレポート!
劇の内容にも触れていきますので、ネタバレに注意してください。

「黒と白」とは

創造主に見放された世界(人)は、滅びるべきか、否なのか。
審判を下すために、人として転生しながら生き続ける黒天使たちと、それを見守り続ける白天使たち。
本作は、七つの大罪になぞらえた時代も場所も背景も異なる3つの人生の物語に、それぞれの劇中歌を添えて、オムニバス形式でお届けする音楽劇です。

(公式ホームページより引用:https://www.kuro-shiro.com/

イントロダクション

あるとき創造主は、不完全な世界(人)を壊して、作り直すことを決める。
その決定に異を唱えた天使たちは、『黒』の烙印を押され、翼を奪われて不完全な世界(人)に堕とされるのだった。
「世界(人)を見捨て天に帰ろう」と『白』の天使たちは、かつての友や兄弟を誘う。
しかし『黒』の天使たちは、人としての生を何度も繰り返しながら、首を振り続けるのだった。
不完全なものだからこそ、世界(人)はこんなに美しいのだ、と。
これは、ここではないどこかで繰り広げられる、世界(人)と、黒と、白の物語。
黒と白の間で、人の子は今日も踊る。

(公式ホームページより引用:https://www.kuro-shiro.com/

「黒と白 -purgatorium- amoroso」の世界観

「黒と白」の世界は天界、煉獄(プルガトリウム)、人間界の3つの世界で成り立っています。
「プルガトリウム」とは煉獄とも言われる天界と人間界の間にある空間で、天使のあり方や役目に反し、翼を黒く染められた黒天使たちが過ごしている場所です。
黒天使たちの役目は、迷い込んできた魂と自分の魂を溶け込ませて人間界に戻してあげること。つまり、人間として生きて死んでまた戻ってくるのです。
天界では、楽しく穏やかなことばかりではなく、苦しみや痛みもある人間として一生を送り、その記憶が残ること=罰だと考えられています。
しかし黒天使たちはそれは罰ではなく、人間としての記憶は、精一杯生きた宝物と考えているようです。

オープニングでは圧巻のダンスを披露

オープニングでは天使たちが全員集合し、神々しい演出とともに圧巻のダンスパフォーマンスを披露! あっという間に人間界から、「黒と白」の世界に引き込まれました。

Aルート「原罪 -晦冥の羽根-」 傲慢×奇跡×幸福(災禍)×罪過

Aルートでは、ハルートとマルートが白天使から黒天使に堕ちるまでの過去が語られます。
ハルートは人間の王女テルシーと恋に落ち、愛を貫いたことでその翼を黒に染めたのでした。

しかし、そこにはもう1つの愛がありました。それはマルートのハルートへの狂気的な愛です。
自分だけを見て欲しいマルートはハルートに愛されている人間の王女を憎みますが、その気持ちまでハルートは優しく包み込むのでした。

このルートの見どころは、ハルートとテルシーの切なくも暖かい恋模様と、マルートの執拗な愛です。マルートがハルートの愛を叫ぶシーンは思わずぞっとしてしまいましたが、自分だけを見て欲しいという悲痛な叫びにも感じられ、胸が締め付けられました。
そしてテルシーの可憐な美しい舞も必見です。

決して結ばれてはいけない天使と人間の愛。そして自分だけを見て欲しいという狂おしくも純粋な愛。愛とは難しいもので、「愛の形はそれぞれだ」と最後に語るルシフェルの言葉にすべてが詰まっていると思いました。

Bルート「壊れた世界の果てに…」 強欲×暴食×破滅×矜持×叡智

このルートは、マモンとイオフィエルが人間として転生したときのお話になります。親をなくし、1人ぼっちで幼少期を過ごした2人はその後どんな人生を歩むのか………。
マモンの生まれ変わりである浦田は、人の痛みが分かる優しい刑事に。一方イオフィエルの生まれ変わりであるヒデは、人間を恨み自らを特別な「天使」だと名乗る殺人犯になってしまったのでした。

2人とも幼いころの境遇は同じですが、人生の結末は全くの別物となりました。

最後にヒデが叫んだ「この世界は壊れている」という言葉がとても印象的なルートでした。
その後、自分を偽ることでしか生きて来れなかったヒデに思いを馳せ、「わかる、わかってしまう。孤独で寂しくて誰かを恨んで、この世に居場所がないと思ってしまう」という言葉に共感できる方も多いのではないでしょうか。
そして、自分も彼と同じなのではないかと疑心暗鬼になってしまう浦田の思いが伝わってきて、苦しくなりました。
しかし小林(アバドンの生まれ変わり)に「ヒデとは違う。人に寄り添える人間だ」と励まされる場面では、2人の間に確かな友情があることがよく分かるシーンでした。

正解のない答えを追い求める天使たち


最後のエンディングでは、ガブリエル役の千葉瑞己さん、メル役の澤田真里愛さんの歌も披露!お2人の済んだ歌声がのびやかに響いていました。

音楽劇「黒と白-purgatorium- amoroso」はプロジェクションマッピングや映像の演出も素晴らしく、とても見ごたえのある舞台でした!
今回レポートできなかったCルートは色欲、嫉妬、寛容、寵愛、夢想たちにスポットが当てられた物語だそうです。
個性豊かな天使たちは、考えも行動もそれぞれで、正解などない答えを追い求めている姿はどこか人間味がありました。そして観る人によっては解釈も違うであろう点も魅力の一つだと思いました。


【公演概要】
〈タイトル〉
音楽劇「黒と白 -purgatorium- amoroso」

〈公演期間〉
2021年6月30日(水)~7月4日(日)

〈会場〉
東京ドームシティ シアターGロッソ
https://www.tokyo-dome.co.jp/access/

〈キャスト〉
岩永徹也:傲慢(ルシフェル)
平井雄基:奇跡(ミカエル)
塩澤英真:色欲(アスモデウス)
須賀京介:嫉妬(レヴィアタン)
五十嵐拓人:強欲(マモン)
石川竜太郎:暴食(ベルゼブブ)
千葉瑞己:寛容(ガブリエル)
吉田知央:破滅(アバドン)
末原拓馬(おぼんろ):幸福/災禍(マルート)
縣 豪紀:罪過(ハルート)
鷲尾修斗:矜持(カマエル)
植田慎一郎:寵愛(ハニエル)
鈴木翔音:叡智(イオフィエル)
鈴木遥太:夢想(ラミエル)
寺澤佑紀:テルシー
澤田真里愛:メル
瑠己也:エラト

〈スタッフ〉
脚本・演出:田中彪(T-gene)
企画・原案・脚本:山田一朗
キャラクターイラスト:夏生
楽曲提供:ZIZZ STUDIO
衣装:西田さゆり
ヘアメイク:西村裕司(earch)
振付:五十嵐拓人・MAMORU

〈公式ホームページ〉
https://www.kuro-shiro.com/


©KSPA 製作委員会

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