数々の人気作品に出演する声優・悠木碧(ゆうき・あおい)さん。忙しい日々のかたわらには、ぬいが欠かせないんだとか。そんな悠木さんのぬい活ライフをくわしく伺いました。
「“ぬい活”はエネルギーをチャージする時間」
――さりげない推し活に込める思い、ぬいと旅する優しい世界
数々の人気作品に出演する声優・悠木碧(ゆうき・あおい)さん。忙しい日々のかたわらには、ぬいが欠かせないんだとか。そんな悠木さんのぬい活ライフをくわしく伺いました。
悠木碧さん(以下、悠木): よろしくお願いします。わー!、ぜひ見せてください。
悠木: シャカシャカするタイプですね。
悠木: エンジェルコア! みんな大好き!
悠木:え、いいんですか? 嬉しいなあ。じゃ・・・・・・インターネットの紫にします。ありがとうございます!
悠木:あ、そうなんです! 嬉しい。ありがとうございます。今日も「よかったら」って言われたので連れてきてて。
悠木: ずっとこの子が私の代わりに広報してくれてるんですよ(笑)。
悠木: そうなんですよ。この中顔面の短さも見てください。どう撮ってもめっちゃかわいいから、本当に助かってます。
悠木: ぬいぐるみを連れて写真を撮るのは、実は子供の頃から好きで。スマホがない時代に「写ルンです」とかで撮ってました。
悠木:はい。スマホが普及してSNSで共有できるようになって、“ぬい活”という形になったんですけど、実は小2くらいからずっとやってたんですよ。
悠木:グレーの垂れ耳のうさぎで、名前は「うーたん」でした。キャラクターものじゃなくて、どこにでもあるようなぬいぐるみなんですけど、すごく大切にしてて。小学生の時に親に買ってもらったんです。2000円くらいだったかな。当時の私には大金で(笑)。
悠木:はい。いつもリュックに入れて連れ歩いてて、写真もいっぱい撮ってました。でも持ち歩いてるうちに、毛が擦れたり色がくすんだりしてきちゃって。
悠木: そうなんです。でもそれも愛しくて。とはいえ外に連れ出すのが難しくなってきて、次の子を探すようになりました。
悠木:いや、それがね、すごく不思議なんですよ。別に「めちゃくちゃかわいい!」とか「かっこいい!」って思ったわけじゃないのに、「この子、連れて帰らなきゃ」って思う瞬間があるんです。
悠木:そう、出会いなんですよ。たとえばお店で並んでるぬいを見たときに、「自分が持って帰らなかったら、この子どうなるんだろう」ってちょっと想像しちゃう。気づいたら“救出”してる(笑)。
悠木: しかも、ぬいぐるみって誰もが子供のころに一度はハマったことがあると思うんですよ。男子でも女子でも。ソフビとか、ぬいとか、そういう“形に残る可愛さ”を愛でる感覚って、どこかに残ってると思うんです。
悠木: そうそう。形として残る嬉しさ、あると思います。だから、別にSNSに上げる必要もないんですよ。ただ、さりげなく続けられて楽しい推し活として、ぬい活がすごく合ってるんだと思うんです。
悠木:そうですね。ノエちゃんは、ぬいぐるみ作家の茶々さんにオーダーして作ってもらった子で、元々のモデルは同じく茶々さん作のクノエちゃんなんです。クノエちゃんは「異世界からやってきたウサミミカイコガ族」という設定で、ウサギとカイコガ、グリフォンの特徴を持つ不思議な生き物なんですよ。
悠木:はい。クノエは大きいので持ち歩きが難しくて「この子を連れ歩けるサイズにしたい」とお願いして作ってもらいました。それがノエちゃんです。サイズ感ってすごく大事で、バッグの中で潰れないけど存在感がある、ちょうどいい大きさが理想なんですよね。
悠木: めっちゃいます(笑)。家に“ぬい棚”があります。IKEAで売ってる天井から吊るす網みたいな収納があるんですけど、それがパンパン。ぬいたちがびっしり詰まってて、母には 「また人柱増えてるね」って言われてます(笑)。
悠木: キャラクターのぬいも多いですね。ポケモンとかFGOとかマーベルとか、推してるキャラのぬいぐるみもどんどん増えちゃって。ちゃんと“ぬいはぬい専用スペースに” って決めてるんですけど、もう満員です。
悠木:いや、なんか、すごい・・・・・・やや重い話になるかもしれないんですけど(笑)。人って、依存できる場所が3か所あると精神が安定すると言われてるんです。たとえば家族とか、友人とか、仕事とか。でもそれって全部“人”だから、安定しにくいんですよね。
悠木: そうなんです。生き物はコントロールできないし、こちらの行動が迷惑になったりする。影響し合えることは生き物の良さでもあるんですけど、時に不安にもなる。でも、推し活ってその“3つの依存軸”を別の形で満たせるんですよ。3つのコンテンツ、もしくはそのうち1つが推し活、とかでもいい。本気で推せるものがあると、自分のメンタルを安定させられる。だから私は推し活が流行ってると思うんです。
悠木: ぬいぐるみって、一緒にいてくれるし、触れることもできる。でも生きてないから、相手に迷惑をかけない安心感もある。そのバランスが、たぶん心を支えてくれるんです。
悠木: そうなんですよ。たとえば動物を推してたとしても、本物の動物を外に連れ歩くのは場所や天気なんかを慎重に選ばないといけない。動物ちゃんファーストが求められます。でもぬいなら自分の都合に付き合わせても、ストレスかけちゃったりしないから、安心かなって。
悠木:最近は動物系コンテンツも多くて、私も大好きなんですけど。「その飼い方はどうなの?」みたいな議論も起こりやすいですよね。生き物だからこその繊細さがある。そこも良さなんだけど。でもぬいぐるみなら、誰にも迷惑をかけずに“かわいい”を共有できる。
悠木:そう。私も昔、飼い猫の写真をSNSに投稿したときに、なんてことない写真だったんですが、やはり生き物にかけるべきでない言葉をかけられたりもして。だけど、ぬいぐるみなら平和に楽しめるし、見た人も優しい気持ちになれる。
悠木:あります。人の流れがある場所では出さない、フラッシュは使わない、撮影は短時間で終わらせる、映り込みなどに注意するなど、周囲に迷惑をかけないことが大切です。マナーの問題もありますが、そうした方が“風景の一部”として馴染ませられて可愛い写真も撮れますし。
悠木: そうですね。自分で「かわいいな」って思える写真が撮れたら、それで十分。それを誰かに共感してもらえたら、ラッキー!くらいの気持ちです。
悠木:はい。お出かけ前にブラッシングしてホコリを取ったり、持ち運び用のクリアケースにクッション材を入れたりしてます。そうするとカバンの中で形が崩れないんです。
悠木: ぬい活してる人にはあるあるだと思います(笑)。あとは、「撮影スタンド付きの持ち運びケース」みたいなグッズがあったら便利だなって思います。
悠木: 一度もないです(笑)。ぬいをちょこんと置いてサッと撮るだけですし。街中って、意外と誰も見てないですよ。みんな自分の世界に集中してるから、こっそり撮ってても全然気づかれません。もしかしたら、あたたかく見守ってくれてるのかもしれませんが。
悠木:前は仕事以外の時間を“休むため”に使ってたんですけど、今はぬい活が“エネルギーをチャージする時間”になりました。「この子とどこへ行こうかな」って考えるのがすごく楽しいです。
悠木: そうかもしれません。少し疲れた時にノエちゃんを撮ったりすると、「でもノエも一緒にいてくれるしな」って思えて癒されます(笑)。
悠木: まずは気軽に始めてみてください。スマホひとつで十分です。大事なのは“自分がかわいいと思う瞬間”を撮ることだと思います。自分のペースで、誰かと比べずに楽しめるのがぬい活のいいところ。小さい頃の自分がぬいを大事にしてた気持ちを思い出して、もう一度あの時間を味わう。そんな風に楽しんでもらえたら嬉しいです。