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2024年4月6日(土)からABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット「ANiMAZiNG!!!」枠にて好評放送中のTVアニメ『となりの妖怪さん』(原作:noho)。
本作は、山合いの風がよく吹く町・縁ヶ森町を舞台に、妖怪と人と神様が暮らすふしぎな日常の中で起こる、優しい“繋がり”の物語が描かれた同名作が原作です。
そんな本作に出演する梶裕貴さん(大石ぶちお役)にインタビューを敢行! 原作を読んだ第一印象からオーディションの貴重なエピソード、自身が演じるぶちおの魅力など、たっぷりとお伺いしました。
――『となりの妖怪さん』という作品に触れたときの第一印象について、教えてください。
梶裕貴さん(大石ぶちお役、以下梶さん):絵柄や表紙の雰囲気から『ほのぼのとした日常を描いた作品なのかな?』という印象で読み始めたのですが、意外にも冒頭から、想像していた以上にシリアスなドラマもあって、ちょっと驚かされましたね。でも、そんなミステリー要素もあるからこそ、その後の展開がとても気になって。それから、キャラクター1人1人にしっかりスポットが当たるエピソードが用意されているのも、本作の魅力的なところだと感じました。人間も妖怪も、誰もが弱さやネガティブな部分を抱えていて、それと正面から向き合っていく様子に心動かされるんです。第1巻を読み終わる頃には、『なるほど、これはアニメ化されるべき作品だ』と深く納得していました
――オーディションがあったとのことですが、どのような形で行われたのでしょうか?
梶さん:ぶちおは、見た目としては猫のキャラクター。けれど……人間と一緒に暮らして、当たり前のように生活感のある会話もするので、もうセオリーなんて関係なくて(笑)。いろんなアプローチの仕方がある役だなと感じました。
ぶちおは20歳で猫又になるんですけど、心の年齢感をどうするべきかが問題で。20歳は、猫としては天寿を全うするぐらいのかなり長生きだけれど、猫又としては新参者にあたるわけです。ある種、達観している要素があった方がいいのか? はたまた、猫又としてまだ慣れていない新人感を立てたほうがいいのか? ビジュアル的に声帯は猫なんだろうか? もちろん人間と変わらない声でも成立するしな? と、あらゆる角度から思考を巡らせました。なので、テープオーディション時には”人寄り”と”猫寄り”、ふたつのパターンの声を送りましたね。
――テープオーディションを通過され、スタジオオーディションに向かった際にはどちら寄りでオーディションを受けられたんですか?
梶さん:もちろん僕としては、どちらのオーダーがきても対応できるような準備をしていきました。その後、実際にスタジオオーディションの現場に行った際に、やはり『どちらのパターンが、より先生のイメージに近いか?』という議論になり……結果、『猫には寄せず、人間と変わらない声質で演じてみてほしい』という方向性になりましたね。
――梶さんはぶちお以外でも猫役をやる機会が多いですよね?
梶さん:そうなんです! 僕、猫役を担当させていただく機会が、なぜか不思議と多くて(笑)。でも、すごく嬉しいんですよね。本作のぶちおのように、人間以外の見た目をしたキャラクターをやらせていただくというのは、とても声優冥利に尽きることだなと感じていて。もちろん舞台や映像作品でもやれないことはないですけど、そこにはやはり『アニメだからこそ』という面白さが詰まっている気がするんです
――ちなみに、猫に対してはどのような印象がありますか?
梶さん:なかなか猫と接する機会は多くないんですが、すごく可愛らしいなと思います。猫の特徴的なイメージでもある、いわゆる『ツンデレ』みたいな部分も愛らしいですよね。
でも、そういう意味でいうと、ぶちおにはあまり猫らしさはなくて(笑)。人見知りで、人懐っこくて、どちらかというと犬…? というより、もはや人間らしいキャラクター。人間を演じるときと近い感覚でお芝居しつつも、もともとは猫だったからこその距離感というか、『自分にしかわからないハードルみたいなものがある』という繊細な心の機微を表現をするのは、純粋な動物役をやる時とはまた違う、この作品ならではの難しさであり、面白さだったのかなと感じています
――ぶちおの魅力について、教えてください。
梶さん:人間らしいところですね。猫は我が道を行くイメージが強いですが、ぶちおは猫らしいイメージはあまりなく、むしろ人間らしいので、僕自身は彼に共感できる部分が多いかなと。僕も人見知りなところがあり、とはいえ仕事ではスイッチを入れて臨んでいますが、だからこそぶちおの気持ちはよくわかります。
また、ぶちおは猫又になって大石家で家族の一員として暮らしていくことになりますが、そこでの悩みもドラマの一つとして出てきまして。その悩みだったり、ほかの妖怪たちの悩みだったりも、皆さんが共感できるようなものなんですよ。そこがぶちおの魅力でもあり、作品の魅力でもあるかなと。
僕はぶちおを演じているので、特に彼の気持ちは丁寧になぞってきましたが、多くのキャラクターがいるので、きっと見てくださる方もこのキャラクターは自分に似ているかも? という部分を見つけてみてほしいなと思います。
――読者として読んで印象的な部分や実際に演じていて印象的なシーンはありましたか?
梶さん:おかしな話ですが”人間らしい”ところですかね(笑)。猫って、どこか”我が道を行く”みたいなイメージがあるじゃないですか。『自分が今こうしたいから、する』という意思が強い生き物なのかなって。けれど、ぶちおに関しては猫又でありつつも……なんだか共感できるんですよね。僕も人見知りなので、『自分は今どう振る舞うべきか』という手段を、これまで生きてきた中で少しづつ学んできました。
とはいえ、仕事となればスイッチを入れることで何とか対処できるんですが、プライベートだとそう上手くもいかない。だから、ぶちおの気持ちがよくわかるんです。大往生という形で、自分の猫としての生を全うするのかと思っていたぶちおが、まさかのまさかで突然、猫又になってしまったわけですから(笑)。不器用ながらも、悩みつつ必死に生きている姿は、すごく応援したい気持ちになります。
もちろん、ぶちおだけじゃなく、他の妖怪たちにも、その妖怪ならではの悩みがありつつ、でもそれは、視聴者の方々にも共感できるであろう悩み事ばかりで。僕はぶちおの声を担当させていただいているので、彼の気持ちに焦点をあてて丁寧になぞっていきましたが、きっと皆さんにとっても、『(それが妖怪でも人間でも)自分と近いな』と感じられるキャラクターがひとりはいるはず。そういった入口があると、より作品世界に没入しやすくなるかと思うので、ぜひ共感できるキャラクターを探してみてほしいですね。
印象的なシーンはたくさんあるので挙げ出すとキリがないのですが…まずは、ぶちおが猫又になり、悩み迷いながらも、妖怪の先輩たちと触れあって行く中で、少しずつ自分の存在意義というか、自分の本当の気持ちに気付いていくところ…って、もう全部あらすじを話してしまいそうな勢いです(笑)。
それから冒頭でもお話しましたが、本作には優しく穏やかな妖怪だけでなく、シリアスな展開を引き起こす、少し恐ろしい妖怪も登場します。そんな中、それまで猫又としての一歩目を踏み出せなかったぶちおが、とある人物を“守るため”に行動を起こすシーンがあるのですが…そこがもう感動的で。原作を読んだときからすごく印象的なエピソードでしたし、アフレコでは「どう演じようかな」とワクワクした部分でもありました。
それから、全体的に柔らかい空気を纏う本作でありながら、子どもの頃に父親が行方不明になってしまった女の子・むーちゃん(杉本睦実)の家族ドラマが軸になっている点も印象的ですね。あとは「ワーゲンくん」という自動車のつくも神が登場するのも見どころの一つだと思います。
ワーゲンくんは、車の妖怪ならではの視点の持ち主。そんな彼に、ぶちおも何か通じるところがあるのか、物語が進むにつれ、深い間柄になっていくんです。そんなワーゲンくんにも、家族に対して思うところがあったりして…。
この作品には、日本人が古来から持っているであろう価値観や倫理観みたいなものが、丁寧に込められているような気がしていて。至るところに、原作者であるnoho先生の知識や優しさみたいなものが溢れている世界観だなと、僕は感じました。
――「妖怪」というと、どこか怖い印象のある存在ですが、本作に登場する「妖怪さん」たちは優しく、また、ごく自然に人間と共存している存在です。そこでもし、本作に登場する「妖怪さん」たちと一緒に暮らすとしたら、どの「妖怪さん」たちと暮らしてみたいと思いますか?
梶さん:それぞれに違う魅力がありますが、やっぱりぶちおですかね。今、僕が生きている世界に、急にぶちおが出てくるとなると目立ちすぎますが、ぶちおなら何とかカモフラージュできそうなのと、基本的な性格が合いそうだなと。お互いの気持ちを汲み取り合って、いいバランスで関係性を築けそうです。
でも、ジローさんも大人でカッコいいですよね。頼もしいですし、と思えば、普段はおちゃらけている部分もあって。こんな人がいたらモテるだろうなと思うくらいに魅力的な存在です。あとは、百合さんも会ってみたいなとは思います。百合さんが僕のことをどう思うかはまた別の話ですが……(笑)。
でも、やっぱりぶちおが一番でしょうね。ぶちおと一緒に暮らしたら、穏やかに暮らせそうですし、一緒にお出かけしたり、お互いに今日会ったことを話したり。とりわけ何かをするというわけではなく、楽に一緒にいれるだろうなと思います。
――のどかで、ゆっくりとした時間が流れている縁ヶ森町が舞台ですが、もしご自身が縁ヶ森町のようなのんびりできる場所に行けるとしたら、どんな場所に行きたいですか? 理由とあわせてお教えください。
梶さん:静岡です。先生のお住まいが静岡県で、作品の舞台も静岡県だろうということで、ぜひ聖地巡礼したいですね。富士山をあの距離感で見てみたいですし、美味しいお茶も飲んでみたいです。とにかく、静岡の大自然を感じたいですね。
あとは、現実世界の話ではなくなってしまうのですが、やはり縁ヶ森町に行ってみたいなと。妖怪たちも住んでいる町ということで、最初は怖さを感じたりもするかもしれませんが……作品に触れていると、徐々にそれが当たり前に感じられていくのでしょうし、あそこで暮らしていたら、もっともっと平和に、そして、相手を尊重できる人間性になっていけそうだなと思って。ぜひ、行ってみたいですね。
<放送&配信情報>
【放送】
4月6日(土)深夜2時よりABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット
『ANiMAZiNG!!!』枠にて絶賛放送中!
4月8日(月)23:30よりAT-Xにて放送中!
※リピート放送 毎週(水) 11:30~、毎週(金) 17:30~
4月11日(木)深夜2時よりBS12 トゥエルビ にて放送中!
【配信】
4月7日(日)2:30~
U-NEXT、アニメ放題
4月9日(火)2:00~
Prime Video、Lemino、ABEMA、dアニメストア、dアニメストア ニコニコ支店、dアニメストア for Prime Video、DMM TV、バンダイチャンネル、Hulu、ニコニコチャンネル
4月10日(水)0:00~
J:COM STREAM(見放題)、TELASA(見放題プラン)、milplus見放題パックプライム
4月10日(水)12:00~
TVer
<イントロダクション>
山合いの風がよく吹く町、縁ヶ森町―。
妖怪と人と神様が暮らすふしぎな日常の中で、それぞれの喜びや悩みを胸に日々を生きる、妖怪たちや人間たち。
猫として20歳まで生きて、猫又に新生したぶちお。
行方不明の父親を気にかけながらも、前向きに生きている人間のむつみ。
代々この町を守っているカラス天狗のジロー。
まったりほのぼのした田舎町の日常の中で起こる、ちょっとふしぎで優しい、繋がりの物語――。
<スタッフ>
原作:noho(出版社:イースト・プレス『となりの妖怪さん』)
監督:山内愛弥
シリーズ構成:金春智子
キャラクターデザイン:阿部慈光
プロップデザイン:安藤暢啓
美術監督:坪井健太
色彩設計:小野寺笑子
撮影監督:長谷川奈穂
音楽:エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ / Blue Bird’s Nest
音響監督:八巻大樹
OP主題歌:Pii「お化けひまわり」
ED主題歌:久保あおい「イロノナカ」
アニメーション制作:ライデンフィルム
製作:「となりの妖怪さん」製作委員会
<キャスト>
杉本睦実:結川あさき
縁火山次郎坊:比嘉良介
大石ぶちお:梶裕貴
縁火山太善坊:浦山迅
立花百合:大地葉
田中 平:浜田賢二
大石拓海:田村睦心
佐野 龍:三瓶由布子
中川 虹:潘めぐみ
早千代:甲斐田裕子
山本五郎左衛門:三上哲
坂木すず:川澄綾子
小林弁丸:橘龍丸
西谷千彰:川島得愛
西谷和彦:田中秀幸
水神:伊藤静
<WEB・SNS関連>
公式サイト:https://tonari-no-yokai-san.com/
公式X:@TonarinoYokai3
(C)noho・イースト・プレス/「となりの妖怪さん」製作委員会
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