2025.01.21

TVアニメ『どうせ、恋してしまうんだ。』柏木深役・吉高志音にインタビュー！　初挑戦となったアニメ声優への想いを明かす

2025年1月9日(木)から放送がスタートしたTVアニメ『どうせ、恋してしまうんだ。』。
同作で柏木深役を演じる吉高志音さんにインタビュー！

今作でアニメ声優初挑戦だった吉高さんにアフレコの感想や、作品や西野水帆たちキャラクターの印象などをお話しいただきました。

「受かるとは思っていなかった」TVアニメ『どうせ、恋してしまうんだ。』でアニメ声優初挑戦

――まずはTVアニメへの出演が決まった時の気持ち、原作を読んだ時の感想を教えてください。

吉高志音さん（以下、吉高さん）：オーディションでは、受かると思っていなくて。最近自分の声を好きになれたので、自分の声を活かせるお仕事がアニメというのがすごく嬉しかったです。

また、原作を読んだ感想ですが、キラキラした青春が描かれている作品だなと思いました。原作者の満井（春香）先生の想いだったり、その当時の学生さんたちが楽しめなかった青春だったりが原作の中にギュッと詰まっていました。読んでいてキュンキュンして、若返ったような気持ちになりました。

――自分が話したセリフを聞くということには違和感があったのでは？

吉高さん：アニメに出演するのは今回が初めてで慣れていないため違和感がありましたね。でも、今は応援してくれる方たち、関係者のみなさんや家族に「素敵な声だね」と褒めていただけることが多くなって、それでもっと自分の声と向き合って、色々な表現をしたいなという気持ちにつながりました。

――オーディションを受けて、手応えはありましたか？

吉高さん：受かるとは思っていなかったです。ただ、高校生を演じるということがすごく楽しくて、フレッシュな気持ちでオーディションに臨めました。どの役も素敵なセリフやシーンがたくさん詰まっているので、セリフを読んでいてすごく楽しかったです。

――声優として役を演じるのと、俳優として役を演じるのとではどのような違いがあるのでしょうか？

吉高さん：声優は、表現の仕方が声のみになるので、舞台と比べると自分が演者として出せる引き出しがひとつ減って、ありのままの声が表現に反映される……ものすごい技量を求められると思いました。
周りの方たちが本当に上手で、どのような立ち姿で、どのような温度感で、どのような天気でというのが表現できる方たちなので、羨ましいですし、勉強したいなと。声優は声だけでそういった表現をする職業だからこそ、僕も表現の部分では突き詰めていかないと、と思いました。

――アニメのメインキャストは初挑戦ですが、そのお気持ちは？

吉高さん：録り終えたのに、全然慣れないです。アフレコの前日は、絶対にソワソワしてしまって眠れないんですよね。初めてのアニメなので、現場での立ち回りもわからないですし、アフレコ現場ならではの決まり事もあって。アフレコ中に「携帯電話の音、鳴ってしまわないかな」とかすごく気になりました。あとマネージャーさんからは「前日は甘いものを食べるな」と、アドバイスをもらいました。諸説はあるとのことですが、砂糖でリップ音が乗ってしまうかららしくて「そういうところまでこだわっているんだ」と。

――ご自宅でも練習されましたか？

吉高さん：はい、家でも練習しました。セリフの秒数とかセリフが入るタイミングとか、録音して自分でも聞いてみて、変じゃないかな？　と確認しながらやってみて。
気づいたら結構な時間、続けて練習していました（苦笑）。
ある程度、自分の中で固まってきたら最終的に役に落とし込んで、あとはスタジオでめいっぱい表現しました。

――深を演じる上で、どのような気持ちで演じられましたか？

吉高さん：深はクールで優等生ですが、可愛いところがあります。その可愛らしさをどれくらい出すかというのを大事にしていました。可愛すぎてもあざといし、照れが含まれるシーンが多いのですが、そこが深の魅力であり、そこを僕は好きになりました。クールに見えて可愛い一面があるというのは、ギャップ萌えというか。それがすごく素敵だと思って意識しました。

あと水帆だけでなくほかの3人に対しても、クールだけど仲の良い幼馴染というのは意識していて、クールすぎると素っ気ないキャラクターになってしまうので、その中でクールなキャラクターの立ち回りというのを様々な学園ものの作品を観て参考にしました。僕はどちらかと言えば「イエーイ！」みたいな立ち回りだったので（笑）。クールな優等生でありつつも、可愛らしさがある人間味を強く感じられるのは、深ならではと思います。

――ほかのキャストの方々の演技を見て、どう感じましたか？

吉高さん：見て、聞いて、自分の想像する輝月がより深まりました。輝月はちょっとワイルドなところもあるんですが、輝月役の浦さんは、そのワイルドさ……男らしい部分もちゃんと表現されていて「すごいな」と。ささやくくらいのセリフでも、すごく深いお芝居をするので、それは「なるほど」と感じました。自分も深を収録で演じていく中で、どこかで自分にしかできない深を突き詰めていきたいと思いましたし、自分にしかできないなと思えるようになりました。

――現場で印象に残っているエピソードは？

吉高さん：収録が終わってからもみんなでご飯行きますし、それこそ聖地の鎌倉にみんなで行けたらいいねといつも話しています。実際はスケジュールが合わなくて、実現できていないんですけど（苦笑）。
休憩中は、原作みたいに僕らもわちゃわちゃしていました。わちゃわちゃといえば、学校が舞台なので、ガヤがめちゃめちゃあるんです。いろいろなパターンを収録したのですが、女子生徒の黄色い声援を録るときは、近くで聞いていて「僕も言われてみたいな」って思いましたね（笑）。

一番共感できるキャラクターは藍？

――水帆たち5人の関係性についてどう思いましたか？

吉高さん：よく晴れている日に、ビーチに打ち寄せる波がキラキラして見えるときがあると思うのですが、あれをずっと想像していて。アニメも水彩画を意識して描かれているんですけど、その瑞々しさというか、キラキラしている印象を受けています。

――登場するキャラクターの印象についてどう感じましたか？

吉高さん：水帆は“ザ・ヒロイン”だなと感じました。こんなイケメンたちに囲まれて過ごすというのはなかなかないシチュエーションだし、読んでいてうらやましいなという気持ちになりました。

輝月や深は後半すごいグイグイ来るので、圧が強めのイケメンだなぁと。でも深として収録に臨んだ後は、「頑張れ」という気持ちになりました。深はちゃんと気持ちを伝えるので、水帆のことがすごく好きというのが伝わりますし、輝月とはまた違う表現の仕方をしているから、それが照れとかにも出てきて愛おしいです。そんなギャップが素敵だなと。僕はギャップに弱いので（笑）。原作を読んでいると水帆の気持ちになりますよ。男女関係ないです。どうせ、恋してしまうんですよ（笑）。

吉高さん：輝月は主人公感があるものの、子犬感もあって可愛らしくて、ピュアだなと思っています。後々話にも関わってくるんですけど、ピュアで繊細だからこそ壊れてしまうんじゃないかなという心配なところもあります。弟感も強いから見守っていたいな、とも思いますし。とはいえ、水帆一直線で、ストレートに気持ちを伝えるところは素敵だなと思うので、そこは見習いたいです。

吉高さん：藍は結構好きなキャラクターです。自分の好きなことをして、好きなように生きているというのが僕はすごく魅力的だなと感じました。抱えているものもあるんですけど、その二面性というか、いろいろな顔が見られます。実際に一緒にいたら自分が抱えているものが楽になる存在だと思うので、友達にいてほしいですよね。藍はコミュニケーション能力が高くて、僕は本当に人見知りなので、ちゃんとリードしてくれそうです！

吉高さん：周吾は料理ができるところがすごいなと。そもそもメガネキャラはずるいと思います。普段おちゃらけていたりするけど、メガネを外したらキリッとするキャラクターが多いじゃないですか。もちろん僕は深派ですけど、仮にお付き合いして結婚するとなったら周吾も捨てがたいなと思います。めちゃめちゃ美味しい料理を家で作ってもらえるのはいいんじゃないでしょうか（笑）。僕も料理するのは好きなので、負けたくはないですね！

――共感できるのは藍でしょうか？

吉高さん：藍に関しては、自分もそうなりたいな、という憧れみたいなものがあります。演じれば演じるほど似ていると思うのは深ですけどね。

――ご自身としては、どのあたりが深に似ていると思いますか？

吉高さん：みなさんにどういう印象を持たれているかわからないですが、実は僕、普段ものすごく静かなんです。その静かな感じからクールに思われがちなのですが、ちょっとしたことで照れてしまったり、恥ずかしくなってしまったりすることもあって。周りの方にそう言われることもあるので、僕としてはクールだけどちょっと照れ屋みたいなところが似ているかなと。全然違ったらすみません！

――逆に似ていないところはどこだと思いますか？

吉高さん：僕は勉強ができないので、頭が良すぎるところは違いますね……（苦笑）。しかも有言実行で夢を叶えていますし、男前だなと。そこも似ていたかったですね。

「これを食べてほしい」〇〇がマイブーム！

――吉高さんの中で、印象に残っている高校生活を教えてください。

吉高さん：国際高校出身なので、毎週英語で日記を提出しなきゃいけなかったんです。でも、最初の頃は英語が全然できなくて。赤ペンで修正が入っていたノートを見た時に悔しすぎて帰りに泣いてしまったのですが、その時にファミレスで友達が励ましてくれたんです。それが僕の中で印象に残っている思い出で、もっと頑張らなきゃ、と思った青春の1ページです。

――今、青春真っただ中の高校生にどのようなことをしてほしいですか？

吉高さん：学生のうちに、みんなで笑い合ったり、くだらないことをたくさんしたりしてほしいと思います。それが今後の人生の財産になるので、「思い出を作る」というのはすごく大事なのかなと。特にやってほしいことは、写真を撮ることです。僕、写真を全然撮らなかったので残っていなくて。

思い返せば勉強も頑張ったし、部活も頑張ろうとしたし、みんなと遊ぶ時間も大切にしていたんですけど、学生の時にしかできない“はっちゃけた”感じというものをもっと出して楽しんでもよかったのかなと。中途半端にならなければ「遊ぶなら遊ぶことに集中する！」でもいいとは思います。怖いもの知らずというのは学生の強みだと思いますし、何事にも恐れず挑戦してほしいですね。

――最近ワクワクしたりときめいたりしたことはありましたか？

吉高さん：ときめきとはまた別かもしれませんが最近現場で煎餅が流行っていて、みんなでおすすめの煎餅を出し合っているんですけど、みなさんは海苔が巻いてあったり、醬油味のベーシックな煎餅が好きだったり……でも僕はぬれ煎餅派でして。みんなに美味しいぬれ煎餅を食べてほしいんです。ちゃんとしたぬれ煎餅を食べたら、美味しさが絶対に伝わると思います！　一度、すごくおいしいぬれ煎餅を食べたことがあるのですが、その、ぬれ煎餅具合がすごくて（笑）。濡れている部分と固い部分がマッチしている黄金比が整っていたので、それを食べてほしいです。

――もし高校生に戻れたら挑戦してみたいことはありますか？

吉高さん：そうですね……遊ぶことに挑戦してみたいです！　僕が高校生だった当時は、変に大人になろうとしすぎていたなと思っていて。お仕事であればできますが、本物の青春はもうできないから、もっと自分の可能性をたくさん信じて、めいっぱいその時だけを生きたいなと思います。勉強で赤点も何回か取って（笑）、それも悔いはなかったのですが、高校生の時にしか出せなかったフレッシュさがあったのに、いいとこどりしようとして、大人になろうとしすぎてしまって。戻れるのであれば、あえて後先考えず飛び込んでみたいなと思います。

――最後に視聴者に向けてメッセージをお願いします。

吉高さん：学生のみなさんには、青春を生きているこの瞬間を大事にしてほしいです。“キラキラ”も生き物なので、取りこぼさないでほしいですし、ちゃんと掬って大事にしてほしいというのがアニメにも原作にも込められています。「自分の気持ちを素直に伝えていいんだ」と前向きな気持ちになれるアニメだと思うので、そういう気持ちになっていただければ嬉しいです。

TVアニメ『どうせ、恋してしまうんだ。』作品情報

◆放送情報
TBSにて、2025年1月9日から毎週木曜深夜1：28～
BS11にて、2025年1月12日から毎週日曜よる11：30～放送開始
Amazon Prime Video、dアニメストアほかにて毎週木曜深夜2:00～順次配信

◆イントロダクション
2020年7月1日。高校2年生の水帆は、最悪な17歳の誕生日を迎えていた。
憧れの先輩に近づくチャンスはなくなるし、親には誕生日をすっかり忘れられているし……。
しかも未知の感染症の流行で、部活の大会や修学旅行も中止になって、「私には“キラキラした青春”なんてない」――そう思っていた。
しかしそんな矢先、幼なじみの輝月(きづき)が、突然、“彼氏候補宣言”をしてきて――。

家族のように育った4人の幼なじみの男の子と、主人公の西野水帆との恋愛模様を描いた学園青春ストーリー。

◆スタッフ
原作：満井春香（講談社「なかよし」連載）
監督：山元隼一
シリーズ構成：村井雄
脚本：村井雄、成尾渚
キャラクターデザイン：しいばいお
サブキャラクターデザイン：平田雄三、奥山鈴奈
プロップデザイン：氏家嘉宏、植田大貴
美術監督：里見篤
美術設定：妹脊百合子
色彩設定：日比智恵子
撮影監督：船越雄弦
編集：今井剛
音楽：井内啓二
音楽制作：日音
音響監督：えびなやすのり
アニメーションプロデューサー：櫻井崇
アニメーション制作：颱風グラフィックス