吉岡茉祐が脚本家として本作に託した“想い”とは…? eeo Stage reading 朗読劇『はなしぐれ』脚本家・吉岡茉祐単独インタビュー

2024年1月25日(木)~1月28日(日)にCBGKシブゲキ!!にて上演されるeeo Stage reading 朗読劇『はなしぐれ』(脚本:吉岡茉祐/演出:田邊俊喜)。

本番を間近に控える中、本作の脚本を担当した吉岡茉祐さんにインタビューを実施! 今まで明かされなかった朗読劇『はなしぐれ』を書くきっかけになった出来事や、2023年5月に上演されたeeo Stage reading 朗読劇『あの星に願いを』の思い出、そして本朗読劇の見どころなど、たっぷりとお聞きしました!

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『はなしぐれ』の物語が生まれたきっかけ

――朗読劇『はなしぐれ』を執筆するにあたってのアイデアはいつ、どのタイミングで浮かんだのでしょうか?

吉岡茉祐さん(以下、吉岡さん):eeo Stageさんで朗読劇をする前の2019年11月に、朗読劇『あの星に願いを』の初演を行ったのですが、その初演の最終公演の日に演出の田邊(俊喜)くんと「じゃあ次、何やる?」という話をしていた記憶がありまして。田邊くんが演出してくれるなら! と思い、その時点ですでに次の作品を書きたいと思っていました。

そこで何を書こうかと思ったときに、『あの星に願いを』初演は高校生たちの物語で、次も同じ高校生たちがメインだと「吉岡は高校生ものばかりを書く」とイメージが固定されてしまうので、それ以外の青春群像劇を書こう……そうだ、大学生の物語にしようと思って『はなしぐれ』の構想を練りました。当時は私自身が大学を卒業してすぐくらいだったので、リアルに大学生を経験した身として、お話を書いてみたらどうなるのかな? と思って、書き始めた気がしますね。

――2019年から今に至るまでに、他にも執筆されたお話があったかと思いますが、その中でも今回『はなしぐれ』を朗読劇化したいと思った理由は何でしょうか?

吉岡さん:私の中で『あの星に願いを』の次は『はなしぐれ』という流れがあったんです。成長していく過程や世界観が似ているところもあり、また、私らしい青春群像劇が受け継がれている作品なので、eeo Stageさんで『あの星に願いを』を上演して、その次にやるとしたら『はなしぐれ』をぜひやりたいなと。

――『あの星に願いを』と『はなしぐれ』のストーリー的な繋がりがあるということでしょうか?

吉岡さん:全く一緒の世界線、というわけではないのですが、『あの星に願いを』は私が初めて書いたオリジナルの長編朗読劇だったので、次に書くとしたらそれをベースにし、進化させたお話にしたいなと思ったんです。それに『あの星に願いを』の上演後に田邊くんやeeo Stageさんから、「また一緒にやりましょう」というお声がけをいただき、田邊くんは『あの星に願いを』をすごく好いてくれて「次、やりたいね」と言ってくれたので、進化させたお話として『はなしぐれ』を書かせていただきました。

『あの星に願いを』については、ファンの方からもたくさんの反響をいただいたので、そこに対する還元の気持ちがあったのかもしれないです(笑)。

――大サービスですね!

吉岡さん:「次はハッピーエンドが見たいです!」とファンの方に言われたら、書くしかないでしょう!(笑)

――eeo Stageでの『あの星に願いを』は2つのエンディングルートがあり、どちらも『あの星に願いを』なりのハッピーエンドだったとは思いますが、どこか物悲しい部分もありました。

吉岡さん:私は『あの星に願いを』もハッピーエンドのつもりで書いたんですが、あの結末にはどうしても納得いかない! というお声もあったので、今回はハッピーエンドを目指しました(笑)。

――2023年8月の『あの星に願いを』のアフターイベントでは「執筆時にはエンディングがどうなるか想定しないで書くことが多い」とお話されていましたが、今回の『はなしぐれ』についてはどうだったのでしょうか?

吉岡さん:ふわっといい方向に落ち着くように……バッドエンドではない見え方になるように書きました。今回は安心して見ていただきたいですね(笑)。

※アフターイベントレポート:https://eeo.today/media/2023/08/28/102878/

――『あの星に願いを』では人の死が、『はなしぐれ』でもそれに近いテーマが物語のある種のキーになっていると思います。吉岡さんとしては、そういった悲しさを感じさせるような展開を入れたいと意識して書かれているんですか?

吉岡さん:入れたい、入れようという気持ちはないですが、じつは『はなしぐれ』は東日本大震災が関連するお話になっていまして。実際に震災を体験した方から聞いたお話や、執筆するにあたり取材をした方の中で、とある登場人物たちに近しい環境の人がいらっしゃったんです。そんな環境にいた方……大変な思いをした方、また何かを背負っている方から出る言葉って、すごく重みがあって。その言葉の重みを受け取って、執筆しました。

『はなしぐれ』は物語全体には大きな波はないのですが、その分、登場人物ひとりひとりに焦点を当てたときに、人生のバックボーンを見たときの波はしっかり作ってあげた方がいいのかなと。ですので、自然とキーとしてそういった要素が入ったのかなと思います。

登場人物たちがぶち当たる壁に対して、色々な乗り越え方をしているので、もし彼らと近い経験をした方がいたならば「共感」という意味での励ましになるかもしれないですし、乗り越えた先の「先輩」という意味での励ましになるかもしれないです。

一方で、まったく状況を知らない方たちには、実際にこういうことがあったんだと現実を見てもらう機会になればいいなと。私は経験した方々からお話を聞くだけでしたが、ある程度咀嚼した状態で執筆していますので、それが皆さんにはより分かりやすく届くと思っています。

吉岡茉祐的青春群像劇の書き方

――大学生たちの青春群像劇の中に、岩渕メイソンや遠藤孝二郎などの大人組が出てくるところが印象的に感じました。

吉岡さん:私の作品は登場する大人が割と達観していて、子供たちを支えるみたいな立場になっていることが多く、それは『あの星に願いを』から『はなしぐれ』でも継承されていると言いますか、似ている部分ではあるかなと。年齢に差をつけると、遊びが作れるんですよ。同級生たちだけだと見えない部分が、大人の目線が入ることで俯瞰して見られるようになる。そういう作り方が個人的に好きなので、今回も入れました。

あらすじにも入れさせていただいたのですが「大人になりきれない若者たち」がメインのお話なので、大人になりたくて頑張っている、でもどこか子供な部分を持っていて、甘えているところをしっかりした大人が背中を叩いてあげる、というような姿が作中で結構見えると思います。

――吉岡さんご自身は背中を叩いてくれるような大人に出会いましたか?

吉岡さん:私にとってのそういう大人は母ですね。母の存在がめちゃくちゃ大きいです。小さい頃から母が言うことは絶対だと思っていたのですが、声優になって、自分で判断をしなくてはならないことがいろいろ出てきたときに、絶対的な意見を言ってくれるような、決断を仰げる人がいない、と思ってしまって……。

「自分の意志ってなんだろう」と分からなくなった時期があったんです。そんな時に、今まで母に言われてなんだかんだやってきたと思っていたものが、じつは自分の意志で決めていて、その決めたことを母に「支えてもらっていたんだ」ということに気づいて。私の意志、あったなと。決められたのではなく、自分で決めていたと気づいて、だからこそ今では自分の意志で脚本を書いたり色々とやっているんですが、そこにたどり着けたのも、葛藤があったからですし、そういうことに気づけたのは大学生くらいだったので、まさに登場人物たちと同じだなと思います。

――『はなしぐれ』に登場する人物たちに、吉岡さんのそういった経験が反映されているんですね。

吉岡さん:脚本家は、自身の想像にプラスして実体験や自分が思ったことを脚本の中に入れてないわけがない、と思っているので、おそらく私の脚本にも何かしらの要素として絶対に入っていると思います(笑)。

『はなしぐれ』には、私の今の最大限を落とし込めたと思います

――ビジュアル撮影では、一部キャストさんの見学もされていました。撮影を見てイメージが膨らんだ、またはイメージ通りだった、という方はいましたか?

吉岡さん:まず、衣裳の三浦志穂さんが私の脚本をすごく読み込んでくださり、登場人物たちに愛を持って衣裳を準備してくださったのが分かったので、衣裳を見ただけでイメージが膨らみましたね。衣裳から登場人物たちの性格が出ていると感じられて感動しました。三浦さん、天才!(笑)

ほとんどの登場人物たちは、大学生ファッションの王道ってこうだよなぁとか居酒屋の店主ってこういう感じだなとか、服装のイメージがあったのですが、蘭子だけは脚本を書きながら、服装のイメージがなかったんです。でも三浦さんなりに登場人物たちを想像して衣裳を準備してくださり、三浦さんが想像した蘭子の衣裳を見た時に、このパターンありだな! あ~これが蘭子だ! と思わせてくれて。撮影現場にお伺いしてよかったな~と。おかげで脚本の書き直しもはかどりました。公演を見ていただいたら、それぞれの衣裳の「意味」に気づいていただけると思います。

――それでは「脚本家」という立場から見た、本朗読劇の見どころや演出でここを見てほしいところはどの部分ですか?

吉岡さん:まだ言えないですね~(笑)。言えるとしたら……『あの星に願いを』を見た方なら、きっと予想して見にいらっしゃると思いますが、田邊くんの演出が大変素晴らしく、いい形になっています。朗読劇の規模で、まさかそれをやるとは! というのがあるので、ぜひ見ていただきたいです。また、私が直接ラブコールをして携わっていただいたスタッフさんがいらっしゃいまして。その方の協力によって、より素敵な演出になっていますので、お見逃しなく!

――ありがとうございました。最後に来場される方へのメッセージをお願いします。

吉岡さん:改めまして、朗読劇『はなしぐれ』の脚本を担当させていただきました吉岡茉祐です。長いこと、脚本家として活動をさせていただいていますが『はなしぐれ』という作品自体は、私にとっては2作目の作品になります。
全く世に出していない作品を昔の状態のまま出すのはやや躊躇いがあり、今の私の技量に追いついた状態にしたかったので、過去に執筆した脚本を書き直させていただき、このタイミングで世に出すことになりました。

何の因果か、世に出すタイミングがタイミングですので、自分の中では怖い気持ちもありますが、私の今の最大限を落とし込めたと思います。『あの星に願いを』で一度衝撃を受けたという方は、安心した気持ちで見てください。また、田邊座組を好いてくださる方には、さらに新しい風をお届けできると思いますので、何か一つでも心に残るものを持ち帰っていただけたら嬉しいです。

eeo Stage reading 朗読劇『はなしぐれ』公演概要

<公演日程>
2024年1月25日(木)~1月28日(日) 全9公演

1月25日(木) 14:00/19:00
1月26日(金) 14:00/19:00
1月27日(土) 12:00/16:00/19:30
1月28日(日) 12:00/16:00

※本公演は約110分となります。
※上記の時間は【開演時間】です。開場時間などの詳細は公式サイトにてご確認をお願いいたします。

<会場>
CBGKシブゲキ!! https://cbgk.jp/
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂 2-29-5 ザ・プライム 6階

<キャスト>
坂井進:狩野翔、笹翼
島崎美波:諏訪ななか、吉岡茉祐、相羽あいな
鷹田慎介:濱健人、濱野大輝
満島蘭子:鈴木絵理、田中ちえ美、西尾夕香
岩渕メイソン:木島隆一、入江玲於奈、浦尾岳大
遠藤孝二郎:鈴木裕斗
南野マリア:南早紀、松田彩希、久保ユリカ
北井道留:汐谷文康、松本ひなた
甲斐田恭介:今井文也、宮﨑雅也
※公演回によって出演者の組み合わせが異なります。

<グッズ情報>

【グッズ一覧】
・パンフレット(全1種)
・複製台本(全1種)
・ブロマイド4枚セット(A/B/C 全63種 ※一人につき各3種)
・ランダムブロマイド(2枚セット・全42種) ※ブラインド
・インスタントフィルム風ブロマイド(全42種) ※ブラインド
・アクリルスタンド(全21種)

【通販受付期間】
販売期間:1月16日(火)17:00~2月5日(月)23:59
お届け時期:3月中旬頃を予定

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<WEB・SNS関連>
eeo Stage reading 朗読劇『はなしぐれ』公式サイト:https://eeo.today/stage/title/voice_readingdrama_hanashigure/
eeo Stage reading 朗読劇『はなしぐれ』公式X(旧Twitter):@Hanashigure_rd
eeo Stage 公式X(旧Twitter):https://twitter.com/eeo_stage

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