TVアニメ『アオアシ』江口拓也、西山宏太朗に特別インタビュー!久々に登場する金田&中野の変化とは……?

2022年4月からNHK Eテレにて放送中のTVアニメ『アオアシ』。
青井葦人が、プロサッカーチーム『東京シティ・エスペリオン FC』のユースチームで仲間やライバルたちと挫折を味わいながらも成長していく姿を描いた本作は、7月から第2クールが好評放送中です。

今回、第2クールで最大のライバルとなる東京武蔵野蹴球団ユースに所属する金田晃教を演じる江口拓也さん、中野淳之介を演じる西山宏太朗さんに特別インタビュー! お2人が演じるキャラクターについてはもちろん、本編の振り返りや学生時代の部活動の思い出についてなど、たっぷりとお話いただきました。

江口拓也さん、西山宏太朗さんにインタビュー!

泥臭い展開、テンポ感、勢い――「アオアシ」という作品での意外な役作り方法

ーー最初に「アオアシ」に触れた時の印象を教えてください。

江口:スポーツ漫画も割と好きで、オーディションのタイミングで原作を読みました。もともとスポーツ漫画は好きなので、すごく面白くて。1日で20巻近く読めるくらいハマり、オーディション前に発売済みのものはすべて読みました。勢いがあり、泥臭さのある展開も印象的で、好きなタイプの作品だと思ったし、漫画を読んで感じた気持ちを表現できたらいいなと感じました。

西山:僕もオーディションのタイミングで原作を読んだのですが、テンポ感、勢い、吸引力がすごくて目が離せなくなってしまいましたし、この熱量をどうやってアニメにするんだろうと思いました。サッカーアニメは、人数もたくさん出てくるし、パスをどこに出すのか、ボールがどこにあるのかなど、描写がめちゃくちゃ難しくて、作るのにとても根気が必要。その中で、キャラクターの生き生きとした表情を出すのはすごく難しんじゃないかなと思ったのですが、最初にアニメを観たときに、画が本当に綺麗でキャラクターが生きているのを感じられてとても感動しました。

ーー金田と中野。それぞれが演じているキャラクターをどのように捉えているのでしょうか。
江口:金田は怒りのエネルギーで前に進んでいる人物で。まあ、ほぼ逆恨みなのですが……(笑)。

西山:間違いない(笑)。

江口:メンタル的には非常に弱い人間だと思っています。人のせいにしてしまうのって、自分では受け止めきれないから、他者や他のものに向けてエネルギーを使っていくわけで。そのエネルギーをサッカーにぶつけてくれてよかったと思っています。

西山:確かに。他に向けていたら大変でしたね。

江口:危ういキャラクターだけど、彼の場合、結局自分のダメさ具合をわかっている気がします。人に言っているようで、自分に言っているから、すごくストイックにトレーニングもこなせる。

僕は怒りの感情があまりないので、なぜいつもイライラしているのか分からなくて。金田を演じる時は、よくやっているアプリゲームでわざと負けて、怒りの感情をためてからアフレコに挑みました。わざと弱い武器を選んで戦って、イライラパワーを自分の中にためるんです。これが、怒りの感情か、って(笑)。

西山:そんな役作りをしていたんですか?(笑)

江口:怒りの感情をなるべく新鮮な形で持っていきたかったからね。

西山:(笑)。僕は中野くんを最初に見た時、「中野くんだけ違う先生が描いているの?」と思いました。一人だけ作画が違うと感じるほど、ビジュアルが印象的で(笑)。

最初は自分と似ていると感じる部分もあったのですが、知れば知るほど彼の熱量の凄さに圧倒されていきました。僕は、中学でバスケットボールをやっていたのですが、自分と周囲との熱量の違いに絶望した経験があります。中野くんは、ものすごい熱量を持ち続けることができるタイプ。
「僕らは本当に努力した」というセリフを言えるくらい本気で打ち込んできたことが伝わるし、似ているなんておこがましいと感じ、次第にリスペクトに変わっていきました。

ーー 金田と中野は第1クールの序盤、ユースセレクション時以来、久々の再登場となります。その間にいろいろな経験を経た二人の変化を、どのように表現しましたか?

江口:最初のときは、ある意味夢に向かってまっすぐ突き進んでいる感じがしました。周りの影響を受けやすく、だからこそ頑張っている、すごくピュアな印象もありました。

再登場時はゆがみきっています(笑)。何も信用しないし、信じないというエネルギーがガンガン感じられます。金田のエネルギーは傍から見るとやばいけれど、チームとしては必要なものだと思うんです。馬車を引くためには馬の馬力が必要なように、そういうエネルギーに頼る部分があるわけで。体格も含めて以前とは全然印象が変わったという描写もあったので、自分の中でも揺るがずに演じられました。

再登場した金田を観たときに「これって、戦国ものだったっけ?」と勘違いしてしまうほどの気合いを感じました。一人だけ、サッカーの気合いじゃないんです。

西山:なんか、目から血が出そうな感じあります。

江口:朝の収録で金田のエネルギーを出すのはハードで、夕方の収録に変えて欲しいくらいでした(笑)。

西山:髪の毛を立てている中野くんを見た時、「変わったぞ」という彼の自己暗示な意味もあるんだろうなと思うと同時に、そういう行動すらも可愛らしく感じました。「俺は変わったぞ!」という覚悟のようなものも見えて、言葉ひとつ取ってもそうだし、眼力もグッと強くなって相手の目を見てしっかりと伝えることができている。そういう変化が芝居に出せたらいいなと思いながら演じました。チームでやってきた結果がもたらした自信のようなものを中野くんから感じられ、彼の成長のためには、1度落ちてよかったなとさえ思いました。

“勝ち負け”じゃない部分に“価値”を見出す

ーー 勝利への執着心も強くなっている印象があります。お二人には勝利への執着心はありますか?

江口:ないです。僕も中学の頃バスケットボールをやっていましたが、勝つための練習が本当に嫌で……ただ楽しくやりたいだけなのに、と思っていました。

西山:めっちゃ分かる!

江口:練習試合から喧嘩腰になっているメンバーを見て、勝ちたい気持ちも、勝つために頑張るのも分かるけれど、僕はそうはなれなくて。嫌になるくらい疲れてしまって、勝ちを譲るようになってしまいました。譲ったうえで、“勝ち負け”じゃない部分に“価値”を見出すというか。

西山:見出しになりそうないいコメント!

江口:そんなつもりじゃなかったから、ちょっと恥ずかしい!

ーー では「“勝ち負け”じゃない部分に“価値”を見出すこと(照)」と照れている感じを添えておきましょうか?

江口:それはそれで恥ずかしいな(笑)。でも勝負事は本当に苦手。ゲームは勝った方がうれしいけれど、人生においては勝ちたい気持ちはありません。多分、人と戦いたくないのだと思います。ゲームなら違う世界の話だし、そこでのルールに従えばいい。だけど、現実では、なるべく勝負を避けながら生きていきたいです。

西山:僕も、勝ちには正直執着はないです。ご縁があったところで精一杯頑張る、自分ができることをやるだけみたいなところがあります。それが、結果、勝ちになることもあるかもしれないけれど、「絶対に負けないぞ」というのは、人に対してはないです。

綺麗事に聞こえるかもしれないけれど、自分に勝つことが大事だと思っています。なんかちょっと言ってて恥ずかしいですが……(笑)、でも心からそう思っています。

ーー 西山さんも勝負で負けても悔しいと思うことはあまりないですか?

西山:結構冷静に受け止めます。何かが足りなかったんだなという思考になりますね。

江口さん&西山さんがチームで担うポジションは……?

ーー お二人とも中学時代にバスケットボールをやっていたときに、勝負事がちょっと嫌になったというお話ですが、逆に、バスケットボールをやっていてよかったと思うことはありますか?

西山:本当に好きな人しかやり続けられない世界だと思いました。でも、3年間やめないで続けられたことは、自分にとってよかったと思っています。ちゃんと続けられる自分に気づけたというのかな。

江口:キャプテンをやっていたのですが、自分で片付けやボール拾いをしていると、キャプテンだからそういうことは他にやらせて堂々としていろ、みたいにコーチから言われるんです。それが苦痛で仕方なくて……。誰かに指示してやらせると、その相手からはよくは思われないですよね。組織の中ではこういうポジションの人も必要だとは思ったけれど、僕は絶対こういう役職にはつけないと思いました。

キャプテンを経験したおかげで、自分がこの先どのように生きるのが楽なんだろう、ということを考え、探すきっかけになったので感謝しています。あとは、基礎体力がついたこと。生きる上での根性的な部分は、あの頃に培われました。

ーー チームワークも描かれる作品です。チームで動くとき、お二人はどのポジションを担うタイプですか?

西山:相手によります。自分より口数が多い人がいればだまるし、口数が少ない人といれば喋る。状況に応じてポジションは変わるタイプです。

江口:バランサーだね。

西山:良くも悪くもって感じもありますが、相手に合わせるのは苦じゃないです。賑やかな人についていくのも楽しいし、自らガンガン喋るのも好き。

ーー チームに一人、欲しいタイプです!

西山:ありがとうございます!

江口:僕は静かにしているタイプ。とにかく、隅っこで静かに。だけど、人の言動は全部チェックしてストックしています。よく「聞いてたの?」と驚かれるのですが、聞いてないようにして聞いているタイプです。遮断して自分の世界にいるタイプではなくて、視野は広げたまま静かにしています。ただ、自ら関わらないだけなんです。向こうから来る分には拒んだりしないけれど、なるべく死角を見つけて……。

西山:物理的に?

江口:そうそう。視界に入らない場所見つけるのは上手だよ。学生の頃はずっとそんな感じだった。

西山:僕は死角にいるのも察知して「話したら面白そう」ってちょっかい出しにいってしまいます。

ーー 結局出会って、仲良くなる運命だったのですね。

江口:アハハハ。

西山:そうかもしれないです(笑)

取材・文/タナカシノブ

TVアニメ『アオアシ』作品情報

■STORY
「世界へ、連れていってやる。」

愛媛に暮らす中学生・青井葦人(あおいアシト)は弱小サッカー部のエース。
中学最後の大会で負けた日、悔しさをぶつけるように海辺で走り込んでいたアシトは、試合を見ていた一人の男と出会う。

その男——福田達也は、J リーグ有数のクラブ「東京シティ・エスペリオン FC」で、高校生年代を育成する組織「ユースチーム」の監督だった。

荒削りだが、ある特別な才能を持つアシトに無限の可能性を見出した福田は、自らの野望を語り始める。

「俺には野望がある。俺の作り上げたクラブで、世界を掌中に収める。世界への踏み台じゃない。我がクラブこそが世界だと。その野望のすべてを担うもの、育成<ユース>だ。」

福田の誘いを受け、入団試験<セレクション>を受けに上京することを決意するアシトだったが──

常にサッカー漫画の最前線を走り続ける『アオアシ』が、ついに待望の TV アニメーション化!
挫折、成長、友情—青春の全てがここにある!

■STAFF
原作:小林有吾「アオアシ」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
監督:さとう陽
シリーズ構成:横谷昌宏
副監督:曽我準
サッカー監修:竹下健一、曽我準、飯塚健司
キャラクターデザイン:中武学、川村敏江、山口飛鳥、長谷川早紀
サブキャラクターデザイン:清池奈保、渡部由紀子、大導寺美穂、白井英介、本田真之
総作画監督:中武学、山口飛鳥
アクション作画監督:興村忠美、窪敏
プロップデザイン:伊東ありさ、津坂美織
色彩設計:上野詠美子
美術監督:垣堺司、竹田悠介
美術設定:金平和茂、伊井蔵
2D ワークス:濱中亜希子
プリビジュアライゼーション:前島昌格
3D:森本シグマ
撮影監督:今関舞子
編集:村上義典
音響監督:はたしょう二
音楽:横山克
アニメーション制作:Production I.G

■CAST
青井葦人:大鈴功起
大友栄作:橘 龍丸
橘総一朗:山下誠一郎
冨樫慶司:八代 拓
黒田勘平:堀江 瞬
朝利マーチス淳:加藤 渉
本木遊馬:榎木淳弥
竹島龍一:熊谷健太郎
阿久津渚:武内駿輔
栗林晴久:梅原裕一郎
中村 平:小野賢章
桐木曜一:内山昂輝
高杉榮太:古川 慎
義経健太:興津和幸
一条 花:河瀬茉希
海堂杏里:上田麗奈
金子 葵:小松未可子
福田達也:小林親弘
伊達 望:安元洋貴
金田晃教:江口拓也
中野淳之介:西山宏太朗
武藤千秋:小野友樹
佐竹晃司:前野智昭
橘 都:真堂 圭
青井紀子:園崎未恵
青井 瞬:中島ヨシキ

■ON AIR
NHK Eテレにて毎週土曜日18時25分~好評放送中

■配信
各配信サービスにて好評配信中

毎週日曜深夜0時~
バンダイチャンネル、Amazonプライムビデオ、U-NEXT、dアニメストア、dTV、Hulu、TELASA、J:COMオンデマンドメガパック、milplus、スマートパスプレミアム、ディズニープラス

毎週火曜12時~
NETFLIX、ひかりTV、アニメ放題、FOD、ふらっと動画、Google Play、ビデオマーケット、GYAO!ストア、DMM.com、music.jp、RakutenTV、HAPPY!動画、ムービーフルPlus

※各配信サービスの開始日時に関しては変更となる場合がございます。

■OP・EDテーマ曲
第 1 クールオープニングテーマ:[Alexandros]/「無心拍数」
第 1 クールエンディングテーマ:Rin 音/「Blue Diary」
第 2 クールオープニングテーマ:Superfly/「Presence」
第 2 クールエンディングテーマ:神はサイコロを振らない/「カラー・リリィの恋文」

■関連サイト
公式サイト:https://aoashi-pr.com
公式Twitterr:https://twitter.com/aoashi_pr
「#Jリーグアオアシチャレンジ」
“スゴ技”How To動画:https://www.youtube.com/user/jleaguechannel
※毎週土曜日19:00より配信予定

■原作情報
『アオアシ』著:小林有吾

小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて連載中!
既刊 1~30巻 好評発売中!

ふりがな付きで読みやすい『アオアシ ジュニア版』
既刊1~12巻 好評発売中

(C)小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会

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