アイドルグループ「ピュアリーモ…
2024年4月12日(金)より全国劇場にて公開を予定しているアニメ映画『クラユカバ』。
本作は、ファンタジア国際映画祭に出品され、長編アニメーション部門の「観客賞・金賞」を受賞した塚原重義氏が原作・脚本・監督を手掛ける長編アニメーション映画です。
街の地下領域“クラガリ”を舞台に、のんべんだらりとした探偵・荘太郎が集団失踪事件に挑みます。
今回は、荘太郎が“クラガリ”で出会う装甲列車・通称“鬼の四六三”の列車長であるタンネ役の黒沢ともよさんにインタビュー!
アニメ映画『クラユカバ』の妖しい魅力や、謎の少女・タンネについて、たっぷりとお伺いしました。
映画がもっと楽しみになること間違いなしなので、ぜひチェックしてください!
―――長編アニメーション映画『クラユカバ』がついに4月より公開されます。序章の公開から約3年が経ちますが、公開目前の今のお気持ちを教えてください。
タンネ役・黒沢ともよさん(以下、黒沢さん):
オーディションを受けるにあたって、監督の前作の短編作品を拝見させていただいたときから、「これはたくさんの人に見て欲しいテイスト作品だ!」と感じていたので、監督の独特な世界観をついに日本の方に堂々とお届けできること、また私自身も参加できていることが、すごく嬉しいです!
▲黒沢ともよさんが演じるタンネ
―――“クラガリ”の妖しい魅力的な世界観だったり、イラストのどこか懐かしい雰囲気だったり……『クラユカバ』の世界観にはどのような印象を受けましたか?
黒沢さん:
軽快だけど物騒な世界観だなと。
同時公開作品の『クラメルカガリ』でも『クラユカバ』でも縁日のシーンが描かれているのですが、今は縁日ってすごく楽しいし、大人から子供まで当たり前のように警戒心なく行くことができますよね。でも、子供の頃は、屋台のおじさんがいかつかったり、酔っぱらった人がいたり……雰囲気が少し怖い印象があったんです。
現在では改善されたサーカスの動物虐待問題のように、問題になったもののパフォーマンスでは観客が湧く、という表裏一体なところや、縁日の「楽しみ」と「少しの怖さ」が感じられるアンバランスさのようなものが『クラユカバ』では描かれているなと思いました。
―――楽しいはずなのに、なぜか不安になってしまうみたいな。
黒沢さん:
分かります!
また、新鮮な色彩のバランスというか……演劇の照明にすごく近くて。舞台の照明って結構独特で。
実はお客さん側から見えている景色とは違って、舞台上ではずっと変な色が当たっているんです(笑)! その感じに似ていて、不思議な気持ちになりました。
―――ありがとうございます。あまり見たことのない独特な世界観だからこそ、色んな人に見ていただきたいですよね!
黒沢さん:
本当に見ていただきたいです! あと考察もすごく捗ると思います。私が言うのもあれですが、何も気にせずに考察して感想をシェアして欲しいです。
やはり少し気を付けて発言する感じがあると思うのですが、好きなだけ語り合って欲しい(笑)!
正解がないからこそ、自分の考えが正解なのか不正解なのか考えて、みんなありきたりな感想を言うじゃないですか。
たたかれるとか、たたくとかを考えずに、「きっとこれはこうだ!」「こっちだ!」と昔みたいに語り合って欲しいですね。
―――タンネ役として出演が決まったときのお気持ちを教えてください。
黒沢さん:
めっちゃ嬉しかったです!
神田伯山さんが荘太郎役ということを、オーディションのときにすでに聞いていて。
以前、他の作品でご一緒させていただいたのですが、その時は日本語を話すのではなくドラゴンの鳴き声を担当されていたので、伯山さんの鳴き声しか聞いたことがなかったんです(笑)。「え! 伯山さんが人間の役をやるの!? 絶対一緒に出たい!!」と思い、気合を入れてオーディションに臨みました。
オーディションに受かったと聞いて「やったー! サキだ!!」と思って資料を見たら「タンネ……誰?」となって(笑)。サキのオーディションを受けて、タンネに合格していたんです!
逆にサキを演じる芹澤優ちゃんはタンネのオーディションを受けて、サキに決まったらしく……。そこをクロスさせたのも監督の何か意図があったのかなと思うのですが、そういうご縁だったので、この作品に出られること自体がすごく嬉しかったですし、タンネを任せられたことにはびっくりしました!
タンネの設定資料読むと全部「謎の少女」「なぜか列車長をしている」などで、全然情報がなくて(苦笑)。監督でさえ「恐らくずっと“クラガリ”にいる」とおっしゃっていたので、だれも何も分からないんだと思いました(笑)!
序章を録っているときは、その先はまだ作られていなかったですし、監督の中でもいくつか選択肢があったみたいで。「この子ってどんな子なんですか?」と監督に聞いても、「いやーどうなるんですかね?」と……アフレコまでずっと謎の少女でした(笑)。
―――では実際に本編の台本を読んでみて、印象が変わったりしましたか?
黒沢さん:
変わりました! 序章のアフレコでは「謎の少女」ということだったので、どのくらい“少女性”を残すか悩んでいると監督からお話があって。
サキとトメオミ(タンネの身辺警護役)の間くらいの年齢で、ふとした瞬間に男の子っぽくも、軍人にも見えたいし、でも女の子の声がいい、と“少女性”は残したいということだったんです。
当時は、最終的に“少女性”が強めな感じにしていたので、本編も儚い軍隊長というか、孤独感が強いイメージになるのかなと思っていたら、鼻で笑ったり、ちょっと小ばかにしたり、よりサバサバとした軍人っぽい感じだったのではじめは意外に思いました。
思ったよりも軽快でたくましいキャラクターになりました。
―――独特な言い回しや話し方だなという印象を受けました。話し方で気を付けたことや意識したことはありますか?
黒沢さん:
話し方に関しては、本編のアフレコが始まる前に監督から指示書をいただいていたのですが、そこに「『独立愚連隊』という映画を見てくるように」と書いてあって。勉強させていただきました。
―――改めて「タンネ」の魅力についても教えてください!
黒沢さん:
見た目は白髪で肌も白いし、儚げなのですが、口を開くと気前が良く男前で、肝が据わっている感じがあり、そのギャップは彼女の魅力だと思いました!
―――収録は別撮りということでしたが、完成された映像で荘太郎役の神田伯山さんの演技を見てどのような印象を受けましたか?
黒沢さん:
もう本当に「演じてくださって、ありがとうございます!」という感じで、ぴったりだなと超感動しました!
伯山さんが先に収録して、私が後の収録だったので、伯山さんが収録された時点で、すでにタンネの受け答え方の正解は答えが出ていたのだと思います。伯山さんに、軽快な掛け合いになるよう導かれていたんだなと……。
―――息ぴったりな掛け合いで、見ていて爽快でした!
黒沢さん:
やったー! 嬉しいです!!
講談をずっと聞いていた時期があるくらい伯山さんが前から大好きで、「伯山さんの講釈の一部になれた気がする!」みたいな悦びがありました。役得です……。
―――サキ役の芹澤優さんの印象はいかがでしょうか?
黒沢さん:
優ちゃん(芹澤優さん)は可愛い役でしか共演したことがなかったので、サキのようにちょっと擦れた感じの女の子を演じているのが新鮮でした。
一緒に収録したのは序章の時だけなのですが、サキは一発目から「うん! これだね!!」とイメージが満場一致で! 私は手こずっていたのですが、優ちゃんはサクサクと録って帰っていったのがかっこよかった。すごく素敵だったので、もっとこういう役が見たいです!
―――もし映画『クラユカバ』の世界に行けるとしたら、どんなことをしてみたいですか?
黒沢さん:
“クラガリ”に行ってみたいです。
日の光が当たる明るいところより、暗いところでガラの悪い感じでいるのが楽しそうだなと思ったのでいいなぁと(笑)。
“クラガリ”の闇市のあたりで上手くやるか、トメオミのようにタンネに付くかがいいです。
“クラガリ”に曳かれてしまいました(笑)。
―――4月より長編アニメーション映画『クラユカバ』が公開されます。本作品の魅力とともに、最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。
黒沢さん:
いよいよ『クラユカバ』と『クラメルカガリ』が同時公開されます。
『クラユカバ』は講談師の神田伯山さんや活動弁士の坂本頼光さんがメインキャストにいらっしゃり、そのお二人の語り口を聞いているだけで、あっという間に時間が過ぎると思いますし、絵や色彩の雰囲気、世界観の濃さ、余白の残し方など、監督濃度がすごく高い作品なので、考察をしたい人には『クラユカバ』をぜひオススメしたいです。
また先に『クラメルカガリ』を見ていただくと、ライトな感触で監督の世界観を味わっていただけると思うので、『クラメルカガリ』を見て『クラユカバ』を見てくれたら、導入としてはスムーズかなと。逆に「最初からパンチが欲しい!」という方は『クラユカバ』を見ていただけたら「俺が知っているアニメーション映画じゃない……!」と衝撃を受けると思います!
ファンタジア国際映画祭にも出品された作品なので、普段芸術などを見るのがお好きな方、寄席に行ったことが無い方にも、ぜひ『クラユカバ』を見ていただきたいです!
■あらすじ
「はい、大辻探偵社」紫煙に霞むは淡き夢、街場に煙くは妖しき噂…。今、世間を惑わす”集団失踪”の怪奇に、探偵・荘太郎が対峙する!
目撃者なし、意図も不明。その足取りに必ず現る”不気味な轍”の正体とは…。手がかりを求め、探偵は街の地下領域”クラガリ”へと潜り込む。
そこに驀進する黒鐵(くろがね)の装甲列車と、その指揮官タンネとの邂逅が、探偵の運命を大きく揺れ動かすのであった…!!
■スタッフ
原作・脚本・監督:塚原重義
キャラクターデザイン:皆川一徳
特技監督:maxcaffy
操画監督:アカツキチョータ
美術設定:ぽち
美術監督:大貫賢太郎
音響監督:木村絵里子
音響効果:中野勝博
音響制作:東北新社
音楽:アカツキチョータ
主題歌:チャラン・ポ・ランタン「内緒の唄」
プロダクションプロデュース:EOTA
アニメーション制作:チームOneOne
配給:東京テアトル ツインエンジン
製作:クラガリ映畫協會
■キャスト
荘太郎:神田伯山
タンネ:黒沢ともよ
サキ:芹澤優
稲荷坂:坂本頼光
指揮班長:佐藤せつじ
松:狩野翔
トメオミ:西山野園美
アニメ公式HP:https://www.kurayukaba.jp
アニメ公式X:https://twitter.com/kurayukabainfo
(C)塚原重義/クラガリ映畫協會
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