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アニメーターの収入は?海外との比較や仕事内容の解説も!

「アニメーターは収入が低い」とはよく聞くものの、実際の年収はどれほどなのかわからないという人も多いでしょう。そこで今回解説していくのは、アニメーターの平均収入についてです。そもそも報酬は出来高制の実力主義なのか、新人はいくら貰えるのか、フリーランスで働くのは難しいのかなど、気になる収入面について注目してみました。

アニメーターとは?

アニメーターとはアニメ制作をする際、アニメーションを担当する職業のことを指します。アニメーターは【動画マン】【原画マン】【作画監督】と大きく分けて3つの役割にもわかれており、各役割によって作業内容も大きく異なっています。

動画マン

動画マンは【原画と原画の間のイラストを描き、アニメーションにしていく】ことが主な仕事となっています。
アニメは基本的に絵を何千も何万枚も描いて繋げることで動きているように見せているため、動画マンがいなくてはそもそもアニメーションは成立しません。アニメ制作において非常に重要な役割であると同時に、実は新人アニメーターが担当することも多く、動画マンを通してアニメーターの仕事経験をしていくと言われています。

原画マン

原画マンは【アニメーションの見せ場となる場面】の原画を担当する仕事です。経験が浅い新人が担当するよりかは、アニメーター経験が長く実力がある人が任されることが多いという特徴があります。
アニメの見せ場を描く仕事であるだけに、デッサン力や構成力など、総合的なセンスが求められる非常に難しい役割です。それだけに原画マンとして実力を重ねていけば有名イラストレーターとして名を馳せることも難しくありません。

作画監督

作画監督は原画マンと動画マンが描いたイラストを一枚一枚細かくチェックし、違和感がないかを確かめるのが主な仕事です。俗に言う作画崩壊に繋がりそうなものがあればすぐに修正依頼を出し、アニメーションのクオリティを保ちます。
作画監督のチェックをもってアニメーションにするため、非常に責任重大なポジションであり、総合的な能力やセンスが求められます。誰もがなれるわけではなく、実力と経験を兼ね揃えた人物がなれる特別な仕事です。

アニメーターの平均収入は440万円

日本アニメーター・演出協会が提出している「アニメーション制作者実態調査報告書2019」によれば、アニメーターの平均年収はおよそ440万だと言われています。月給は単純計算で36万円程度であり、日本人の平均年収467万、月給38万と比べるとやや下回ることがわかります。
数字だけみれば平均よりは低いとも言えるのかもしれませんが、理由としては後述するように契約形態がさまざまなことも要因となっており、実態を正しく表していないとも言えます。
また、次章に書かせていただく通り、ここ数年で劇的に改善している業界でもあります。

(引用:JAniCA, 「アニメーション制作者実態調査報告書2019」,
http://www.janica.jp/survey/survey2019Report.pdf 〉, 2021年8月21日閲覧)
(引用:国税庁, 「平均給与」, 〈https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan1997/menu/03.htm〉, 2021年8月21日閲覧)

アニメーターの雇用体系は多様

実はアニメーターの雇用形態の約半数はフリーランスで、2割が自営業で、アニメーターの契約体系・働き方は多様に存在しています。ですので、以下に紹介する情報はあくまで平均のデータであり、その実態は個々人によってさまざまです。

引用:一般社団法人日本アニメーター・演出協会, 「平成30年度 文化庁 メディア芸術連携促進事業 研究プロジェクト アニメーター実態調査2019」,
https://www.soumu.go.jp/main_content/000618122.pdf〉, 2021年8月21日閲覧)

アニメーターの収入改善の見込み

アニメーターの低収入問題は度々さまざまなメディアでも取り上げられており、昔と比べて確実に問題視されてきています。今後低賃金問題はどのような課題を持って改善していく予定なのか、日本アニメーター・演出協会の課題提起についても触れていきましょう。

日本アニメーター・演出協会(JAniCA)の課題提起

日本アニメーター・演出協会が提起した【アニメーション製作者実施調査報告書2019】では、現在のアニメーターの収入問題をはじめ、多様な働き方支援や社会的地位向上の課題などが記されています。
現在アニメ制作側が抱えている問題や課題が可視化されていくことにより、より多くの人やアニメーターの当事者が問題と向き合えるようになっていくのではないかと期待されています。

(引用:一般社団法人日本アニメーター・演出協会, 「アニメーション制作者実態調査報告書2019」, 〈http://www.janica.jp/survey/survey2019Report.pdf 〉, 2021年8月21日閲覧)

2013年から2017年の収入増加

JAniCAによるアニメーション製作者実施調査報告書2015年と2019年を比較すると、アニメーターの収入が2013年から19年にかけて約26万円上がっていることがわかります。
ここ数年でアニメ業界は多方面から注目されており、もともとアニメ好きな者から数々の著名人に至るまで、アニメへの関心度が上がっているのは事実です。
ネットの普及によりアニメ業界が抱える問題も可視化しやすくなったのもあり、問題解決に向けての動きが確実に為されていると考えていいでしょう。

引用:一般社団法人日本アニメーター・演出協会, 「アニメーション制作者実態調査報告書2019」, 〈http://www.janica.jp/survey/survey2019Report.pdf〉, 2021年8月21日閲覧)
(引用:一般社団法人日本アニメーター・演出協会, 「アニメーション制作者実態調査報告書2015」, 〈http://www.janica.jp/survey/survey2015Report.pdf〉, 2021年8月21日閲覧)

アニメ産業市場の大幅成長

近年、アニメ産業市場は大幅成長しています。市場規模は10年連続で伸び続け、2019年は前年比115.1%成長の2兆5112億円となりました。とりわけ昨今のアニメ配信市場の急拡大に伴う番組購入の増加、NetflIxをはじめとした配信オリジナルアニメの制作受注数の増加の勢いはすさまじいものがあります。この影響でアニメ制作費が増加し、制作に不可欠なアニメーターの待遇も改善されているのが現状です。

(引用:一般社団法人日本動画協会,「アニメ産業レポート2020 サマリー版」,
https://aja.gr.jp/download/anime-industry-report-2020-summary_jp-2?wpdmdl=1676&refresh=612c714012b171630302528 〉,2021年8月30日最終閲覧)

海外アニメーターの収入

実は海外アニメーターの平均年収は日本円にしておよそ780万円であり、日本と比較して年収が高いことがわかります。
理由として挙げられるのは、日本の場合、スタジオは基本的にロイヤルティーによる収入が得られないからです。というのも日本のアニメ制作は制作スタジオだけでなく、グッズ会社や原作の出版社などが「○○製作委員会」という形をとっており、アニメ放送で得た収入は各企業に分配され、制作スタジオは所定の報酬しか得られないことの方が多くなっています。
対して海外の場合は制作スタジオ側はロイヤルティーによる収入が得られているため、日本アニメーターと比べると高い報酬が支払われているのです。
もちろんどちらにもメリットデメリットがあるので、良い悪いの単純な判断はできませんが、そのような違いがあるということだけ理解しておきましょう。

(引用:NewSphere, 「日本のアニメーターの低賃金に海外衝撃 「夢の職業」の実態を米紙が特集」, 〈https://newsphere.jp/business/20210310-1/2/〉, 2021年8月21日閲覧)
(引用:salaryexplorer, 「Animator Average Salary in United States 2021」,
http://www.salaryexplorer.com/salary-survey.php?loc=229&loctype=1&job=41&jobtype=3#disabled〉, 2021年8月21日閲覧)

アニメーターはなんといっても魅力的な仕事

アニメーターには、高い集中力や画力、スキルが必須です。しかしそれだけ「好きなもの」を仕事にできるアニメーターは魅力的な仕事でもあります。
日々自分のスキルを磨いていく熱意があるという方は、アニメーターも将来の選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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