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同人誌とは?気になるオンライン即売会やグッズ制作なども併せてご紹介!

皆さんは「同人誌」に対してどんなイメージを持っていますか?二次創作マンガ、薄い本、高額、夢の具現化…と様々かもしれません。
そこで今回!同人誌の成り立ちやグッズ制作、最近話題となっているオンライン即売会のご紹介などをしたいと思います。

同人誌とは?

そもそも同人・同人サークルとは、同じ趣味や志を持っている個人・団体のことを指し、同人が資金を出して執筆・編集・発行などを自ら行う出版物を同人誌と言います。そして同人誌を販売する即売会というものが存在し、中でも日本最大規模で1990年代以降、大変な人気を博してるのが「コミックマーケット」です。

近年は漫画やアニメだけでなく、オリジナルの音楽・絵画・雑貨・ファッション、工芸品、写真などを展示するイベント「デザインフェス」や「ワンフェス」も注目されています。また同人誌即売会に足を運んだり、通販や業者を使って手に入れることのできる「同人誌」ですが、最近ではDL(ダウンロード)販売やカード決済の導入により、手軽に購入可能になりました。
今までハードルを感じていた方も、この機会に同人誌をお手に取ってみてはいかがでしょうか?

同人誌の起源や種類は?

まずは、そんな同人誌の起源や成り立ちに加え、種類についても説明します。

実は文豪も同人作家だった?

同人誌の始まりは明治時代、文豪・尾崎紅葉らが中心に発行した「我楽多文庫 」が最初だと言われています。この本は近代日本文学初の文芸雑誌であり、実は『文豪とアルケミスト』のイベントにも登場していました。

現在のように作者が印刷費を払って本を自費出版し、それをイベントなどで配布(販売)するようになったのは、コミケ(コミックマーケット)が開催された1970年代後半頃のようです。
それまでの主流と言えば、学校の漫画研究会や一部のアニメ好きなどが会報やファン誌を制作し、印刷代は会費制などでまかなっていました。

同人誌のジャンル

皆さんにとって同人誌と言えば、アニメやマンガなどの二次創作作品かもしれませんんね。ところが、同人誌の枠にはボードゲーム、写真集、CD-ROMなど多種多様なものがあるのです。前述した文豪らによる文芸誌も勿論のこと、食べ歩きコラム、鉄道に関する調査や旅行記、中には自身の論文を小冊子で発表する人もいるとか。

コミケで有名作家の親族がサークル参加をしていたことも…。つまり同人誌とは、出版社など企業を通さず個人が制作した同人作品の1つなのです。

同人市場ってそんなに凄いの?

マスコミでも大々的に取り上げられるコミケとは、8月(夏)と12月(冬)の年2回開催される世界最大規模の同人誌即売会です。その影響か、最近では一般でも知る人が知る同人誌ですが、同人市場はどうなっているのか覗いてみましょう。

コミケの経済効果は100億円以上!

2021年12月30~31日に2年振りとなるコミケが開催されました。当日はコロナ対策に基づき参加人数を制限し、2日間で約11万人、1日当たりの来場者は約5万5000人だったそうです。
1日5万人超えでもとてつもない人数ですが、2019年12月に4日間開催された令和初のコミケは合計75万人と過去最大。つまりは、徳島県とほぼ同じ人数が東京ビックサイトを訪れた計算になるのです。さらに、その経済波及効果は100億円超えとも言われているから驚きですね。

同人誌の印刷っていくらかかるの?

同人誌を作ってみたいけど、どうやって印刷するの?お金はいくらかかるの?そんな皆さんの疑問を、推しごととして色々な同人誌を作った筆者がお答えします!

印刷方法

同人誌の印刷方法には、大きく分けて以下の3種類あります。
オフセット印刷…版下を使った高品質な商業印刷。
オンデマンド印刷…トナーを吹き付けた印刷。少部数に対応でき割安。
コピー誌…コピー機で印刷し、ホチキスなどで閉じた冊子。

印刷屋さんと費用

同人印刷屋さんは多数存在し、値段も仕様やニーズに合わせて様々。
「HOPE21」によると、同人誌の平均発行部数はオンデマンドで30~50冊、オフセットで約200冊なのだとか。部数や頁数にもよりますが、印刷代はおよそ3~5万円ほど。

こうして完成した本ですが、売れ残れば在庫全てを一個人が背負い、少部数ともなれば1冊単価がさらに高くなってしまいます。つまり、商業誌に比べて多くの同人誌が高くなるのは仕方がないことなのです。

グッズを作るのって大変なの?

次は、一度は憧れるグッズ作りについてです。

グッズの種類って?

ポストカードや缶バッジ、長い人気を誇るうちわにトートバックなど様々な種類のある同人グッズ。一時期話題となったおっぱいマウスパッドも、驚きの進化を遂げながら定番化しつつあります。

どんなグッズが作れるの?

変わり種としてエコカイロやLEDライトで光る缶バッジ、クッキーやキャンディーなど食品を使ったグッズやノベルティーが作られています。なかには自分でデザインした生地(布)を印刷し、その布を使ったハンドメイドグッズを制作する人もいたそうです。

どこで作れるの?

同人印刷会社がグッズも手がけている場合が多いですが、グッズ専門の企業も多く存在します。ただ、グッズ専門でも二次創作NGなお店もあるので注意して下さい。

通販システムって?

通販システムとは、送料や手数料を支払い同人誌を手に入れる方法で、主に次の2通りがあります。

個人通販

同人誌を作った作家が、郵送などを使用して本を販売する方法です。誌代に加え送料が必要となり、最近ではpixiv運営の「BOOTH(ブース)https://booth.pm/ja」が知られています。

同人ショップ

「とらのあな」をはじめとした同人ショップに委託販売してもらう方法です。誌代や送料の他に、2~3割程度の手数料がかかります。

つまり、個人通販は作家に負担がかかるうえ多くを捌けず、企業は手数料がかかる分だけ同人誌が高くなってしまうわけです。

オンライン即売会とWebオンリーイベント

2019年に発生した新型コロナ感染症により、多くの同人誌即売会が延期・中止にされてきました。必死に作った新刊、ホテルや飛行機のキャンセルなど、辛い涙を呑んだ方も多いかと思われます。
即売会の中止=同人誌印刷の著しい減少に繋がり、同人から撤退する印刷会社も増えるなど、同人誌の存続も危ぶまれていました。

こうした状況下に於いて、非対面・非接触イベントとしてSNSを中心に話題となったのが、オンライン即売会Webオンリーイベントです。

仮想空間での即売会

オンライン即売会とは?

スマホやPCを使った、オンライン上の同人誌即売会のことです。ちなみにTwitterなどで話題となったWebオンリーイベントは、こうしたオンライン即売会に含まれます。

誰がどこで開催しているの?

オンライン即売会サービスとして有名なのは、web上で誰でもイベントが開催できるpictSQUARE(通称:ピクスク)https://pictsquare.net/」です。
他にもオンライン即売会サービス「VOiCE」、pixiv主催のオンライン即売会「NEOKET」などが知られています。
オンライン即売会の利点として、通常イベントのように宿泊代や交通費などが発生せず、開催時間も長めなものが多いため学校や仕事が終わった隙間時間での参加も可能です。

オンライン即売会に参加するには?

こちらではピクスクを例に、個人が主催するオンライン即売会の説明をします。

pictSQUAREへようこそ!

応募する

気になるイベントを見つけたら、webフォームから応募しましょう。サークル参加の場合システム利用料(550円)が発生しますが、基本的に一般参加は無料となっています。

アバターを作る

自分の分身としてアバターが作れますが、不慣れな方は既存キャラもあるので安心です。このアバターを使って、ゲーム世界のようなweb会場を歩き回ることができます。

参加者との交流を楽しむ

チャットを使用することで参加者との会話が楽しめます。お目当ての作家さんが留守でも、お店(サークル)ごとに掲示板(書き込みボード)が設置されているのでメッセージが残せます。

同人誌を注文する

ピクスクではBOOTHやpictSPACEの通販サービスを利用することで、同人誌などの販売も可能です。

デザインフェスやワンフェスって同人なの?

同人誌即売会とはサブカルイベントの1つです。似たものにデザフェスワンフェスなどもありますが、これらは同人イベントなのでしょうか?

イベント概要をざっくり紹介!

デザインフェスタはオリジナルアートイベント

「デザインフェスタ(デザフェス)」とは、オリジナル作品なら誰でも参加できる国際的なアートイベントです。5月(春)と11月頃(秋)の年2回開催。アート以外にもアパレルやアクセサリー、雑貨など様々なものが販売されています。

ワンダーフェスティバルはガレージキットの祭典

一方、「ワンダーフェスティバル(ワンフェス)」とは、ディーラーとして自作フィギュアなどを展示販売する世界最大のガレージキット(手作り模型)のイベントです。2月(冬)と7月(夏)の年2回開催。

コミティアやハンドメイドイベントとは?

「COMITIA(コミティア)」は自主制作漫画の展示即売会です。出張マンガ編集部などの企画もあるため、自分の作品を編集の方に見て頂けます。
また、「HandMade In Japan Fes(HMJ)」や雑誌「minnne」が開催する「ハンドメイドマーケット」などは、手作りアクセサリーや服飾などハンドメイド作品を販売するイベントです。

ちなみに、これらのイベントで展示・販売しているオリジナル漫画やフィギュアなどはコミケでも配布されています。そこで、敢えて線引きをするとしたら、コミティア>ワンフェス>デザフェス&ハンドメイド…の順で同人寄りになるでしょう。

同人誌は人の思いが詰まった宝物!

同人誌には漫画の絵柄やお話だけではなく、装丁やタイトルに至るまで、作り手のセンスや個性が表れます。つまり、本やグッズの向こう側に作った人の姿が見えるのです。
昨今の情勢で同人界は空前の危機に陥りました。しかし、同人誌を守るのも生み出すのも私たち次第。これからも秩序を守りながら、推しと萌えが詰まった同人誌を楽しみましょう。

text/高塔琳子

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